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東雲あかりの現代詩

テロル

半分だけ開かれた窓から
遠くの丘にそびえ立つ
コンクリートで造られた神様の
上半身を眺めながら
何日も何日も
奴隷のように
自慰に耽っていたんだよ

時には
神様の首から上がお前に見えて
恐ろしさに震えながら
性欲の有り処を
懸命にまさぐって
背徳感に嗚咽した

時には
私の顔をした両性具有が
窓枠まで忍び寄り
賤しい私の本性を模写して
告げ口しやしないかと
壁にすがって慟哭した

この永遠に半分だけ開かれた
お前と私をつないでいる窓からは
半透膜のように
孤独な視線だけが透過していく

あの丘に立つ
神様の足下にすがる
何億人もの善良な男女の
祈りを消す
爆薬を
天空から
驟雨のように降らせたい
神様、私は
まだここに、
今もここにいますと。